タグ「中島朱実」の検索結果は以下のとおりです。
(作成:2000年頃? 初出:?年久我のサイトAfter school Twilight 約1200字) イザナミのくれた、束の間の時。 ふたりは黄泉の片隅で再会を果たしていた。 中島の鼻孔を、かすかな、しかし甘くやわらかな香りがくすぐる。 甦った弓子の肌はそれ自体が淡く光を発しているように見え、空に光のないこの黄泉の世界をその輝きで照らすかに見えた。 ...
(作成:2000年頃? 初出:?年久我のサイトAfter school Twilight 約1750字) 「五十億の人間より、ぼくは君一人を選ぶ!」 弓子の震える指が、中島の額を、頬を、睫毛を、唇を、狂おしくなぞっている。 地獄のような苦しみの果ての、罪深い愛の言葉。弓子は自分の胸にわきあがる暗い喜びに逆らうことができなかっ...
夜。 弓子は病室で一人、今日も眠れないだろうな、とぼんやり考えていた。 フィード教授の計らいで、ここ国際サマルカンド病院に入ってからもうすぐ一週間になる。 検査や診察、麻酔をかけての手術、大事をとってあまり動かせない体、一日中建物の中にい る毎日。そんなことが続いてすっかり体内時計がくるったのか、昼間うとうとしたり、夜浅 い眠りを繰り返したりして、ここしばらく熟睡できた覚えが...
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(初出:2016年8月13日「女神転生保存会」発行 DDSアンソロ『転生カレイドスコープ』 加筆修正:2018年7月 約10400字) 「ロキ、奴らの魂の味はどうだ」 「……悪くない」 音声入力装置を使って問えば、スピーカーを通して妙に人間くさい答えが返ってきた。 中島の実行した悪魔召喚プログラムにより、CAI (※) ルームのホストコンピュータに...
( ) (初出:2009年黄昏階段 約7150字) ――198X年、9月某日。 国際サマルカンド病院の屋上、通路に囲まれた中庭に、ふたりはいた。 弓子はまだ強い午後の日差しと、秋の気配を含み始めた風を頬に感じている。 宇宙でのセトとの死闘の後、満身創痍の中島と盲目の弓子はフィード教授の懸命な努力により8月末からこの病院に収容され、ふ...
(初出:2009年12月黄昏階段 約5350字) 「だめだ、それは許せない」 白鷺を生贄になんてできない。 慎重に相対し、駆け引きをせねばならないはずのロキに、中島は思わず叩きつけるように叫んでいた。 白鷺弓子。 時期外れの転校生だった。そう、確か6月。先月初めのことだ。 ロキの力を借りて近藤と京子、そして小うるさかった飯田教諭をこと...
(初出 約6300字) 「中島くん、私のために、約束を守ってくれたのね」 イザナミが祭壇の上にふわりと消えた時、中島の背後で弓子の声がした。彼女の声はあまり耳にしてはいないはずなのに、懐かしさで一瞬息が詰まる。 はやる心とうらはらにゆっくりとぎこちなく振り返ると、潤んだ鳶色の瞳が中島をまっすぐに見つめていた。 まだ弓子の蘇生を信じきれず声も出せないでいる中島に白い裸身を投...
(初出:2015年7月5日「あくまのおみせ」様発行 DDSアンソロ『With You.』寄稿 加筆修正:2016年6月~7月 約7400字) 「なんで怒ってるの……」 「怒ってません」 ――いや、これは完全に怒ってるだろ……。 中島は途方に暮れていた。 昨日の昼過ぎから、弓子の口数が減っているのに気づいてはいたのだ。それが決定的になったのは、先程の朝食の時...