中島の指がキーボードを叩くリズミカルな音が、静かな午後の病室に響いている。
~二次創作ノベル・ファンアート、オリジナルノベル・イラストサイト。 今のところデジタル・デビル・ストーリー中心で、中島と弓子ばっかり。(『女神転生』の原作小説です)~
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中島の指がキーボードを叩くリズミカルな音が、静かな午後の病室に響いている。
イラスト提供:久我
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注)上記イラストの通り、微エロ超短編です。
苦手な方はご注意くださいね。
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イザナミの玄室で、中島は甦った弓子を抱きしめ、再会の喜びをかみしめていた。
「…ん?」
弓子を支えている身体の左側、ズボンのポケットの中に、何か固いものがあるのに気づく。
――黄泉醜女からもらった、あの二つの玉は確か右に入れたはず…。
左手でポケットを探ると、出てきたのは一粒のミルキーだった。
「だめだ、それは許せない」
白鷺を生贄になんてできない。
慎重に相対し、駆け引きをせねばならないはずのロキに、中島は思わずたたきつけるように叫んでいた。
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注)純文学的ラヴシーン有りの短編です。
苦手な方はご注意くださいね。
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――198X年、9月某日。
国際サマルカンド病院の屋上、通路に囲まれた中庭に、ふたりはいた。
弓子はまだ強い午後の日差しと、秋の気配を含み始めた風を頬に感じている。
宇宙でのセトとの死闘の後、満身創痍の中島と盲目の弓子はフィード教授の懸命な努力により8月末からこの病院に収容され、ふたりはアメリカ大使館の庇護の元、身元を隠し、ひっそりと暮らしていた。
入院から幾日かが過ぎたこの頃には連日の検査や診察も一段落し、今は幾度かの手術にも回復を見せない弓子の目の定期的な診察が残るのみで、ふたりは表面上は穏やかと形容できるような、ささやかな日々を得ていたのだった。