Digital Devil Another Story DIGITAL DEVIL ANOTHER STORY （デジタル・デビル・アナザー・ストーリー）

Stormbringer。
マイケル・ムアコックのファンタジー小説『エルリック・サーガ』に登場する架空の剣…ではありませんね。すみません。
イギリスのロックバンド、Deep purpleが1974年に発表したアルバムです。

追悼記念でUPした短編『嵐の使者』ですが、読み返してみると
これは読んだ人が「…？？？」ってなるな、と思いまして、説明不足な所を
この記事でご説明しようと思います。


さて、まったくロックを聞かない・分からない私にこのアルバムを語ることはできませんので、
以下wikiから概要を引用しますと…

いわゆる第3期最後のスタジオ・アルバムであり、この作品を最後にギタリストの
リッチー・ブラックモアはメンバーを脱退した。
前作のアルバム『紫の炎』から新たに加入したデイヴィッド・カヴァデールおよび
グレン・ヒューズの音楽性に対する意向が徐々に増し、
リッチー・ブラックモアが理想とする音楽との乖離が強まったため、
様々な問題を抱えながらの製作となった。

レコーディングは1974年8月、ドイツのミュージックランド・スタジオで行われた。
プロデュースはディープ・パープル自身とマーティン・バーチ、ミックスダウンは
同じくマーティン・バーチとイアン・ペイスの手で行われその後、
ロサンゼルスのレコード・プラント・スタジオで最終的な仕上げを行った。

本作は1974年12月に世界発売され、日本では「嵐の女」がシングルカットされた。
本国イギリスでは最高6位、アメリカでは20位まで上昇しゴールドディスクを獲得した。

…だそうです。

原典１巻２１P序章、近藤に殴られた日、帰宅した中島が自室でプログラムリストをチェックしながら
聞いていた曲を歌っていたのが『デビッド・カヴァーディール』ですから、
もしかしたらそれはこのアルバムだったのかもしれません。
原典の時系列は計算上1988年の出来事となるので、このアルバムであるなら、
中島は14年前に発表されたCDを聞いていたということになりますね。

このCDがいったい中島にとって何なのか…という話が短編『嵐の使者』だったわけなのですが、
それはDDSファンサイト『十聖学園』掲示板にて、管理人パタヴォナ校長に
教えてもらったことが元ネタとしてあります。
現在はサイトにアクセスすることができないようなので、その内容をご紹介したいと思います。

ちょうど愛蔵版として原典がもうすぐ復刊する~した、という辺りで、
西谷先生も含め（なんという贅沢！）、復刊される本についてやいろいろなことを語っていた時なのですが、
西谷先生とパタ校長はすごくロックにお詳しくて、お二人でコアな話を熱く語られたことがあったそうなんです。
その時、西谷先生曰く、CD『Stormbringer』は朱実ならジャケットで選んだだろう、とのことなんですね。
黄泉からトヨアシハラに出てきたときのイメージが、先生の中ではあのジャケットのイメージなんだそうで…。
このエピソードを教えていただき、CDと中島の出会い方を想像した結果が、『嵐の使者』という短編になりました。

パタ校長は他にもその会話で出たという
・中島が絶対に持っているのはDeep purpleの『Burn』
　（邦題：紫の炎、Stormbringerの前作ですね）
　この中に収録されている「Mistreated」は絶対に聴いている
・the doorsのCDも絶対聞いている
などの情報を教えてくれたのですが、興味深いのは、
「先生も僕も一緒の見解だったんですが、『Mistreated』は絶対に聴いているということです」
という言い方をされていたことです。
どうも、西谷先生ご自身が創作した人物の設定の話であるはずなのに、
先生ご自身も「あいつだったら絶対これ聞いてるよ」というニュアンスで
お話されていたようなのですね。

DDSの魅力のひとつはその主人公でさえ突き放した冷徹な視点と文体だと私は思っているのですが、
先生のこの言い方がもし上記のようであったなら、そこに表れる”中島朱実”という人物に対する西谷先生のこの距離感というか関係性が、
その文体の傾向に大きく影響しているように思えます。

そのあたりはともかくとして、ぜひDDS世界を深める手段として、上記のCDや曲を聞いてみるのも一興かと思います。
特に１曲挙げられていた『Mistreated』は…かっこいい曲でしたが…なんていうか…歌詞がですね……。
まさか中島くん、殴られた日に聞いてたやつって…これじゃないよね…？|ω・`;)

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